刑事ものがお好きな方は新参者シリーズ!東野圭吾作品「加賀恭一郎シリーズ」で読書の楽しさを。
読書を始めたいんだけど、辻村深月作品から始めてみようと思うんだ。
映画の脚本も書いていて、どれも読みやすいですよ!
辻村深月さんの小説は、デビュー作から最新作まで、どれも読み応えのある作品ばかりです。
2019年映画ドラえもんの月面探査機の脚本を担当したことでも有名ですよね。
子どもが大好きなドラえもん映画のひとつでもあり、心にグッと刺さるセリフがとても多いです。
- 辻村深月シリーズの読むべき順番
- 各作品の特徴と見どころ
- 途中から読む場合のおすすめ書籍
辻村深月さんの小説には、明確な読む順番はありませんが、いくつかおすすめの順番があります。
- スロウハイツの神様
- 島はぼくらと
- 家族シアター
- 凍りのくじら
- 子どもたちは夜と遊ぶ
- ぼくのメジャースプーン
- 名前探しの放課後
- 冷たい校舎の時は止まる
- ロードムービー
- 光待つ場所へ
- ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。
辻村深月シリーズの読む順番(発売順)
シリーズの発売順とともに、各小説の内容を簡単にまとめました。
順番に沿って読み進めていくことで、辻村作品の深みにハマっていきますよ。
スロウハイツの神様
- デビュー作で上下の二作品あり
- アパート「スロウハイツ」を舞台に、住人たちの日常を描いた作品。
- 辻村深月さんの代表作の一つ。
『スロウハイツの神様』は、若きクリエイターたちの一つ屋根の下での生活を描いており、友情、恋愛、仕事へのプライド、尊敬など、様々な感情が交錯する物語。
物語の中で描かれる人間関係の細かい描写や、登場人物たちの内面の葛藤が多くの読者に共感を呼んでいます。
辻村深月さんの作品に典型的な、伏線回収の巧みさも読者から高い評価を受けており、特に、上巻でじっくりと伏線を張り巡らせ、下巻でそれらが見事に回収される構成は、読み進めるうちにその巧妙さに気付かされる楽しみがあります。
島はぼくらと
瀬戸内海にある架空の小島「冴島」を舞台にした物語で、島で暮らす高校生たちの日常と成長を描いた青春小説。
高校生の池上朱里、榧野衣花、矢野 新、青柳源樹の4人を中心に島の人達との物語が紡がれていく作品で、瑞々しい文章と美しい風景描写が魅力です。
この作品では、驚くような展開は少ないものの、辻村深月特有の巧みな物語の読ませ方が光ります。
小さな謎をちりばめることで読者を引き込み、物語のクライマックスでは清々しい気持ちを抱かせます。
島の生活の「狭さ」を通して、主人公たちの間の濃密な人間関係を巧みに描き出しており、一方で、外から来る人々を受け入れることによって生まれる「広さ」も表現し、冴島という小島の立体的な姿を描き出しています。
登場人物には、島の生活を象徴するようなキャラクターが数多く登場し、彼らの人間関係や成長が物語の重要な要素となっています。
物語の中では、島を舞台にした様々なエピソードが繰り広げられ、主人公たちの心境の変化や人生の岐路に立つ瞬間が丁寧に描かれています。
『島はぼくらと』は、島という限られた空間の中で生まれる人間関係の複雑さや、青春時代特有の感情の機微を繊細に捉えた作品ですよ!
家族シアター
- 家族の絆を描いた作品。
- 読後感の温かい作品。
『家族シアター』は、辻村深月による家族をテーマにした7つの短編が収められた作品集。
各編は、親子、兄弟姉妹、祖父孫など、異なる家族関係を描いており、読者に心温まる読後感がたまりません。
「タマシイムマシンの永遠」という編では、ドラえもんのひみつ道具を題材にして、家族間の深い絆と記憶を探る物語が展開されます。
この話は、家族をテーマにしながらも、ドラえもんのアイテムを通じて家族の思い出を振り返るというユニークなアプローチを取っています。
作品集全体が読みやすく、各編にサプライズや感動がありますよ!
家族のさまざまな形を浮き彫りにしながら、それぞれの物語で家族の大切さを改めて感じさせる作品集です。
物語を通じて、家族という存在のかけがえのなさや、微細な感情の動きに心を動かされます。
凍りのくじら
- いじめを題材とした作品。
- 衝撃的な内容で、読者に深い問いかけを投げかける。
『凍りのくじら』は主人公の理帆子が抱える孤独と成長を描いた作品です。
彼女の周りの人々、特に元彼の若尾や、音楽家の松永純也、さらには松永の息子である郁也との関わりを通じて、理帆子は自分自身と他人との関係性について深く考えるようになります。
作品内では『ドラえもん』の秘密道具が物語の随所に登場し、それぞれが理帆子の心情や物語の進展に深く関わっています。
10代の頃の孤独感や居場所を探す苦しみをリアルに描いており、特に青春期の孤独を感じたことのある人々や、ドラえもんが好きな人におすすめです。
読後は理帆子が経験するさまざまな出来事から心に残る何かを感じ取れるのではないでしょうか。
子どもたちは夜と遊ぶ
- 謎解き要素もあり、最後まで目が離せない。
『子どもたちは夜と遊ぶ』は、辻村深月によるミステリー小説で、大学院生の木村浅葱と、彼が関わる殺人ゲームを描いた作品です。
浅葱は「i」と呼ばれる人物と殺人ゲームを展開しており、そのゲームを通じて人を殺しています。この物語の中心的な謎は「i」の正体と、浅葱が「i」に会うことができるかどうかにあります。
この作品は、大人になりきれていない大学生の心理を繊細に描いています。
大学生である登場人物たちは、子どもではないがまだ完全に大人とは言えない、そんな独特の立場にいる人物たちが丁寧に描かれています。それぞれが自分なりの価値観や考え方を持ちつつも、まだ大人への道を模索している様子が描かれており、読者に共感を呼び起こします。
辻村作品特有の細かい心情描写が活きており、登場人物たちの複雑な心の動きや人間関係がリアルに描かれています。特に、月子や浅葱の心情描写が深いです!!
この物語が完全に一つの作品だけで完結しているわけではなく、他の辻村作品とのリンクが存在している点も魅力の一つです。
ぼくのメジャースプーン
- ダウン症候群の少年を主人公とした作品。
- 人生の喜びを描いた感動的な作品。
『ぼくのメジャースプーン』は、愛する人を守るために何ができるのか、という問いを投げかける作品であり、その答えを模索する過程が描かれています。
特に小学生である主人公が、親友を守るために自分にできる最善の手段を考える過程は、深く考えさせられるものがあります。
主人公が持つ特殊な能力をどう使うか、そしてその能力を使って何を守り、何を求めるのか、という点が物語の中心をなしており、ワクワクしながら読むことができます。
『ぼくのメジャースプーン』は、『凍りのくじら』や『子どもたちは夜と遊ぶ』など、著者の他の作品と登場人物が繋がっており、それぞれの作品を読むことで、物語の背景や人物関係の理解が深まります。
名前探しの放課後
- 名前を題材とした作品。
- 言葉の持つ力について考えさせられる。
『名前探しの放課後』は、その物語の深さと伏線の回収の巧みさに注目しており、主人公の一人であるあすなに対する他のキャラクターの反応や、彼女の行動が物語において重要な役割を果たしていることが面白い作品です。
あすなの強さや、彼女が大切に思う人のために頑張れる心情が、感動的なんですよね〜。
物語の中心的なテーマの一つに、「人は変わることができる」というメッセージがあります。
物語を通じて主人公たちが成長し、変化していく様子が描かれており、この過程で登場人物たちの目的が初めに思われていたものとは異なることが示唆され、読者に多くの疑問と違和感を投げかけます。
読後の高揚感は、辻村深月の他の作品と同様に読者を引き付ける魅力の一つであり、物語の結末に至るまでの怒涛の伏線回収劇は、読む者に深い満足感を与えてくれます。
冷たい校舎の時は止まる
- タイムループを題材とした作品。
- 青春とミステリーが融合した作品。
本作は、一見バラバラに見える3つの事件が、巧妙な伏線と構成によって有機的に繋がっていく点が魅力です。
冒頭のバスジャック事件、主人公たちの通う高校で起こる奇妙な出来事、そして過去の少女失踪事件。一見無関係に見えるこれらの事件が、徐々に繋がりを見せていく様は、読者を飽きさせません。
特に印象的なのは、過去の少女失踪事件と、主人公たちの通う高校で起こる奇妙な出来事の関連性。
一見何の関係もないように思える2つの事件が、実は密接に繋がっていたという衝撃的な事実に驚かされます。
伏線回収も非常に巧妙で、読み返してみると、序盤から多くのヒントが散りばめられていたことに気づきます。
辻村作品の緻密な計算によって練られた構成は、読者を最後まで飽きさせず、物語に引き込みます。
ロードムービー
- 旅を題材とした作品。
- 読者を旅へと誘うような、爽快な作品。
『ロードムービー』は、小学生のトシとワタルが家出する様子を描いた連作短編集です。
それぞれの物語は独立していますが、トシとワタルの関係性や、彼らが抱える問題が徐々に明らかになっていく構成は、読者を飽きさせません。
ふたりの心の声や葛藤を丁寧に描写することで、読者に彼らの心情を深く理解させてくれる作品ですよ。
光待つ場所へ
- 死を題材とした作品。
- 命の大切さについて考えさせられる。
『光待つ場所へ』は、5つの短編小説からなる作品集で、それぞれの物語は独立していますが、共通するのは、人生の光と影を描き出すという点です。
主人公たちは、それぞれ異なる悩みや葛藤を抱えていますが、決して希望を捨てずに、前向きに生きていこうとします。
ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ
- 人工知能を題材とした作品。
- 未来社会を描いたSF作品。
『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ』は、複雑に絡み合う人間関係と衝撃的な真相を描いた、辻村深月さんの代表作の一つ。
本作の魅力は、巧みに描かれた人間関係です。
物語は、幼馴染であるチエミとナナを中心に展開するのですが、チエミとナナの関係はもちろん、彼女たちを取り巻く人々の人間関係も、非常に丁寧に描写されています。
まとめ
上記以外にも、辻村深月さんにはたくさんの作品があります。
本屋さんで辻村作品をザーッと眺めましたが、こんなにたくさんあるんだ!と驚いたくらいです。
ぜひ、辻村ワールドの面白さにハマってくださいね!
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